能登半島地震での被害のありようは石川県にとどまらない課題――。都道府県知事46人へのアンケートから浮かぶのは、そんな実情だ。ハードの脆弱(ぜいじゃく)性、減り続ける人手、細る地域のつながり。全国に共通する「過疎問題」を前に、どのように備えればいいのか。(菅原普、山根久美子)
半島、中山間地域で孤立の可能性 にじむ危機感
「難しいのは過疎の地域。道路が狭かったり、海底が隆起しており、船も入ることができない」。1月3日、石川県の馳浩知事は記者団に、今回の地震の特異性をこう訴えた。発災当初、能登半島では国道249号など幹線道路が寸断。孤立集落が生じ、被災者の生存率が落ち込むとされる72時間までに、安否確認や救助活動、水や食料などの物資輸送が妨げられた問題が発生した。
アンケートの回答からは、そうした被害の特徴を「ひとごとではない」と受け止める知事らの危機感がにじむ。
県内に半島がある知事からは、「地理的条件が似ている男鹿半島があり、中山間地域も含めて小規模の集落が相当数ある」(秋田)、「紀伊半島、特に紀中、紀南は地形的に能登半島に類似しており、道路の寸断が予想される」(和歌山)、「宇土半島や天草地域など、幹線道路が寸断されれば孤立する地域がある」(熊本)といった懸念が聞かれた。
半島以外にも、山梨や長野は、集落の点在する中山間地での孤立集落の発生の可能性を指摘。また香川は、離島を抱えることを理由にそうした危険があると回答した。「アクセス道の途絶により孤立の危険性のある集落は400を超える」(山形)と、具体的に試算する県もあった。
そんな懸念を反映するように…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル